求められているもの
2. オープンサイエンスでは何が求められているの?
国のオープンサイエンスの推進を支える2つの政策
オープンサイエンスは国内においては、数年の間隔をおいて発表された2つの異なる政策をベースとして進められています。2021年ごろから本格的に進められるようになった「公的資金による研究データの管理・利活用」と、2024年に発表され、2025年度には既に施行開始されている「学術論文等のオープンアクセス化の推進」です。前者は「研究データ」のみを対象としているのに対して、後者が「学術論文等(=学術論文と根拠データ)」を対象としており、「研究データ」が両政策に関わっていることが分かりにくさを生んでいます。
国内のオープンサイエンスに関わる中心的政策
- 公的資金による研究データの管理・利活用(R3.4.27-)
- 学術論文等の即時オープンアクセス化の推進(R6.2.16-)
(出典) 内閣府ウェブサイト「研究DX(デジタル・トランスフォーメーション)-オープンサイエンス:学術論文等のオープンアクセス化の推進、公的資金による研究データの管理・利活用など-」
研究データに求められているもの(公的資金による研究データの管理・利活用)
日本における「公的資金による研究データの管理・利活用」は、以下の政策文書に基づき推進されています。以降の説明は、この文書の内容を集約したものです。
公的資金による研究データの管理・利活用に関する基本的な考え方 (令和3年4月27日 統合イノベーション戦略推進会議)
【政策の目的】
こちらの政策では、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、大量のデータが取得され、高度な計算や分析が可能となり、研究データの知的資産としての価値が高まっていることを背景に、研究データの管理・利活用を実行し、優れた研究成果とイノベーションを創出していくとしています。
【研究データの公開・共有の考え方】
研究データの利活用が進んでいくために、「論文のエビデンスとしての研究データは原則公開とし、その他研究開発の成果としての研究データについても可能な範囲で公開することが望ましい」とされていますが、一方で、研究データには機微な情報が含まれている可能性があり、また、産業競争力や科学技術・学術的な優位性を確保する観点からも研究データの共有・公開を単純に是とすることは必ずしも望ましくないことから、国においても研究データについては「オープン・アンド・クローズ戦略」に基づき、この政策を進めていくとしています。また、研究データの共有・公開の範囲については研究者がオープン・アンド・クローズ戦略に基づき、合理的な理由により設定すべきとされています。
【政策の実施イメージ】
国は研究データの管理・利活用を進めるために、1)研究データ基盤システム(NII Research Data Cloud, NII RDC)の運用と、2)メタデータの付与による研究データの検索体制の構築を進めるとしています。
NII RDCは、①研究者が研究活動中に、共同研究者や研究室メンバー等と研究データを共有するための研究データ管理基盤GakuNin RDM、②大学等が論文や研究データなどの研究成果の公開に用いる研究データ公開基盤(各大学の機関リポジトリ)、③各大学の機関リポジトリやその他の学術文献データベースなどから、研究成果の書誌情報やメタデータを収載、検索可能とする研究データ検索基盤CiNii Researchからなり、国における研究データの管理・利活用のための中核的なプラットフォームとして位置付けられています。
研究者が1)研究活動を研究データ管理基盤GakuNin RDMで行い、2)論文や研究データなどの研究成果を生み出したら、これを各大学の機関リポジトリに当該研究成果のメタデータと共に登録すると、3)そのメタデータが研究データ検索基盤CiNii Researchを通じて流通するため、4)研究者が先行研究や関連のデータを検索可能となり、当該情報の利活用に繋がることが想定されています。
[注] 研究データ管理基盤GakuNin RDMは鹿児島大学においても利用可能となっています。なお、同基盤を利用しないで研究活動を行っていても、2)以降を行うことは可能です。
【研究助成機関と大学の責務】
資金配分機関(研究助成機関)および、研究開発を行う機関(大学等)は、研究者の研究データの共有・公開を促すために、必要な制度や基準を整えるとされています。
このため資金配分機関は、1)研究者が助成を受けた研究プロジェクトごとに研究データの管理方針や管理の実施状況を記す「データマネジメントプラン(DMP)」と、2)研究者が被助成の研究プロジェクトごとに定めた「管理対象データ」がCiNii Researchを通じて検索可能となるための研究データの「メタデータ」を研究者に求め、登録してもらえるための仕組み作りを行います。
研究開発を行う機関(大学等)は、1)研究データマネジメントに関するガバナンスのあり方について定めたデータポリシーを策定し、2)機関リポジトリへの研究データの収載を進めるとされています。特に2)について、研究者に対して研究データの共有・公開を促すと共に、これを実施するための環境や支援体制等を整備するものとされています。 【研究者の責務】公的資金による研究開発を実施する研究者は、以下の流れに基づき研究データの管理を適切に行い、利活用に供するものとされています。
学術論文と根拠データに求められているもの(学術論文等の即時オープンアクセス化の推進)
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国の政策上、研究者に求められていること
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